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キリエのうたのEDDIEのレビュー・感想・評価

キリエのうた(2023年製作の映画)
4.8
1人の女性の13年間の軌跡を不揃いな時系列で描き奇跡が起きる。法律に翻弄され続けた彼女が法に抗い歌い続ける模様は目頭が熱くなった。
アイナ・ジ・エンドの高音域な歌声に魅了され、イッコ/真緒里や夏彦らとの語り尽くせない関係性が堪らなく良い。

キリエの高音の歌声が耳に入るたび涙腺がゆるみました。
彼女の人生がどんなものか、少しずつ明かされていくにつれ、完全に彼女の視点に立たされるのが素晴らしい没入感。
178分と3時間近い長尺映画でここまで集中力欠くことなく観続けた作品は久しぶりかもしれません。

いやぁずっと浸っていたい映画だったなぁ。

そして、『キリエのうた』は卵映画でした。
イッコと出会ったばかりのキリエ。招かれた家でイッコが作ってくれた朝ごはん。オムレツともスクランブルエッグとも取れる不揃いな卵料理は2人の関係性とこれから待つ厳しい現実かともとれました。
そして、フミがくれたお弁当の卵焼きは風美と路花の強い絆と彼女にとって大切な人との再会を示唆するものだと解釈できました。
卵焼きはぐちゃぐちゃにかき混ぜても、焼いて巻くことで一つになるわけですから。

〈キャスト〉
キリエ/路花(アイナ・ジ・エンド)
潮見夏彦(松村北斗)
寺石風美(黒木華)
一条逸子/真緒里(広瀬すず)
風琴(村上虹郎)
波田目新平(松浦祐也)
松坂珈琲(笠原秀幸)
日高山茶山(粗品)
イワン(矢山花)
御手洗礼(七尾旅人)
マーク・カレン(ロバート・キャンベル)
小塚呼子(大塚愛)
沖津亜美(安藤裕子)
潮見加寿彦(江口洋介)
潮見真砂美(吉瀬美智子)
潮見崇(樋口真嗣)
広澤楠美(奥菜恵)
広澤明美(浅田美代子)
横井啓治(石井竜也)
イッコの元恋人(豊原功補)
イッコの元恋人のガールフレンド(松本まりか)
根岸凡(北村有起哉)

※2023年新作映画148本目
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