リラリオ

キリエのうたのリラリオのレビュー・感想・評価

キリエのうた(2023年製作の映画)
2.5
岩井俊二監督の新作映画を鑑賞。
評価はかなり良いが…私には地獄の178分だった。

東日本大震災で家族と言葉を失った少女・路花が、亡き姉の名前・キリエを名乗り、ストリートミュージシャンとなって運命に翻弄されながら生きていく物語。

東京…歌を歌うことしかできない路花は、キリエという名でストリートミュージシャンをしている。
ある日キリエは、ド派手なウィッグをかぶったイッコという女性と出会う。
キリエの歌に感動したイッコは、キリエを食事に誘い、住む家のないキリエを自宅に招く。
翌朝、目を覚ましたキリエは驚く。
なんとイッコは高校時代の友人、真緒里だった。
かつて帯広で暮らしていた2人。
東京の大学に合格し、帯広から上京した1つ年上の真緒里。
「大学は?」
「行ってない。母親が男に騙されて…」
学費を払ってくれるはずだった母親の恋人(カールスモンキー石井だった 笑)が消え、大学に通えなくなった真緒里は、過去と名前を捨て「イッコ」として東京で暮らしていた。

イッコはキリエのマネージャーになる→キリエに色々アドバイス→イッコは、衣装や機材を購入する→1万円の投げ銭→人脈が広いイッコは、音楽プロデューサーや路上ミュージシャンをキリエに紹介→コラボライブ→物販品発注。キリエの音楽活動は順調だったのだが…
ある晩、「温泉に行ってくる」と言い残し、イッコが突然姿を消す…。

震災、路花の過去、亡き姉「キリエ」、亡き姉の恋人の夏彦、真緒里との出会い、そしてイッコの正体…
石巻、大阪、帯広、東京を舞台に、過去と現在が複雑に行き来する。

岩井俊二作品、嫌いではないが(Markしてないがほぼ観ている)…これはキツかった…
アイナジエンドで映画を撮りたかったことだけはめちゃくちゃ伝わりました。

思うこと、感想などなど…
・岩井俊二ワールド、平常運転。相変わらず、女の子とバレエ好きだな…
・設定に無理あり。(岩井俊二あるあるの1つ。1文無し小3(だったよな?)少女の石巻~大阪一人旅など…)
・チョイ役の無駄使い(これも毎度)
・アイナジエンドの一人二役、これも岩井俊二あるあるだが、今回は必要だったのか疑問(必要と思う人はいると思うが…私は要らねぇと思ってしまった)
・時系列行き来しすぎ。
・被災をきっかけに歌うことでしか声が出せない設定だが、全く出せないわけではなく、カスカス声で話せるレベル。(亡くなった姉を演じている時も囁きボイスだったので、あまり差がなかった…)
・「結婚はしたくない、でも財布は握らせて」この時点で詐欺だと気づけや!
・野外フェスがショボすぎてびっくり。

テンポ悪っ!無駄多っ!
そして映画は、とっ散らかったまま終了…
(良かった点)
・毎度だがロケ地オシャレ。
・「母や祖母のように女を武器に生きたくない」と言ってましたが…結局、DNA最強なところ。
・広瀬すずちゃん、女子高生役まだいける。そして演技が上手い。可愛いので変なウィッグも似合っていた。
・松村北斗、役にハマっていた。
・一緒に観た旦那「…まぁ、スワロウテイルよりマシじゃね?」

とにかく好き嫌いがわかれる映画。
好きな人はめちゃくちゃ好きだと思う。
私がひねくれているからなのか…「んなわけねぇだろ…」なところばかりに目がいってしまい…刺さるものはなく、グダグダでよー分からん映画でした。
映画…うーん、ちょっとストーリーのある長~いミュージックビデオって感じ…。
ちなみに岩井俊二作品の中では「花とアリス」と「フライドドラゴンフィッシュ」が好きっス。
でも、だいぶ前に観たので…今観たら…もしかして…。
リラリオ

リラリオ