ろめ

キリエのうたのろめのネタバレレビュー・内容・結末

キリエのうた(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

運命に翻弄されるとか壮大な愛の物語とか、それはそうなんだけどそんな言葉で片付けられる映画では無いくらいに濃かった
手ブレや魚眼、微妙な傾きのある画角や取り繕っていないように見せる繋ぎ方がリアルで、現実と映画の狭間を観た気持ち
演技も上手いんだけどコテコテじゃなくて、観た人の心にスっと入ってくる感じがあった

⚠️津波と地震(3.11)の描写があり、そのシーンが長く、かつ当時の安否確認の意識の低さが見えるシーンがあるので注意
ガチ恋ジエンダーとリアコの北斗担は見るの気をつけた方がいいかも〜濡れ場🈶です
北斗のラブシーンは一応純愛だけど、アイナのラブシーンには強姦未遂があります。結構キツいので気をつけてください💧

最後にネタバレじゃないことも書いてるのでネタバレ踏みたくない方は最後まで飛ばしてください❗️

─────⬇️しっかりめのネタバレあり⬇️─────







現在軸がどこか分かんなくなるくらいシーンがいったりきたりするのですが、それは今のルカの記憶が断片的であることに引っ掛けてるのかななんて

イッコ(まおり)が、スナックのママをやっている母・祖母を見て「女を武器にして生きたくない」という趣旨のことを高校生の時は言っていたのに、いざ大学進学が叶わないと知ると結婚詐欺に走るの、皮肉効いてんなと思いました
東京まで出て服装も名前も変えて、本人としては変わったつもりでも、本質的には遺伝してしまっている

黒木華と「キリエ」を音楽的に支えたい人達以外の大人が全部嫌な感じで、理不尽に拍車がかかっていたのが良かったです
行政がマジでお堅いし、どこまでもルカが運命に引き裂かれていてどうしようもなさが現実っぽい

魔性の女なキリエお姉ちゃんに引っかかってズブズブ沼にハマっていく夏彦、可哀想で可愛かったです➰➰➰北斗くんめろちい➰たべちゃおŧ‹”ŧ‹”( ‘ч’ )ŧ‹”ŧ‹”
松村北斗に未亡人と大罪人どっちもやらせたの神配役だって🫵😭
あとラブシーンも最高マジで。ℒ𝒪𝒱ℰ
妊娠させたのが分かってからの表情の闇堕ちっぷり超良い😭😭😭しかも妊娠させといて距離取っちゃって他人行儀になる所も未熟さがあって良いと思いました。
自分のやったことを何年経っても受け入れられないし、権利が無いから守りたい人を守れないし、キリエお姉ちゃんに似ていくルカに感情が溢れちゃう、ダメ人間でかわいいね・・・・・
ずっと姿勢悪くてオーラ無いのも最高🎶🎶
覚悟があっておおらかで愛に生きる(褒めてはない)キリエお姉ちゃんに人生狂わされちゃった夏彦くんが可哀想な反面、「見つからないでくれ」とか「許して」とか言っちゃうあたりクズ男だなと思います

「キリエ」とキリエお姉ちゃんとルカの3つの顔を演じたアイナに感嘆しました。
こんな才能があったんやね〜
不思議ちゃんで小悪魔だけど優しくてほっとけないキリエお姉ちゃん、震災のせいでおどおどしてて自責思考を持ってるけど芯が強くて行動力があるルカ、ワンフレーズでその場にいる人をみんな巻き込んで彼女がいる所をたちまちステージにしてしまう「キリエ」、どれも魅力的だった。アイナ・ジ・エンドが歌声採用されたんじゃなくて、彼女が持っている味わいとか、雰囲気を見て抜擢されたんだなと感じられて、感無量でした
ダンスも出来て良かったね🥲








────ネタバレはここまで!────


さて、私はいち清掃員でいちスト担なので、この映画はかなり特別な感情で観ました。

いつのまにかこんなに大きなステージに上り詰めたアイナと、今や1人の俳優として名前が挙がった北斗の、2人のファンで居続けてよかったなーと心から思うのです。
アイナ・ジ・エンドはBiSHオーディション前宿無しで路上ライブをしていたことがあったのと、「BiSHが無ければ今も5人くらいの前で歌を歌っていたと思う」という趣旨の発言を本人がしていたことを思うと、この映画は「有り得たかもしれないもう1つのアイナ・ジ・エンドの未来」にも思えました。まあこんな惨劇あってたまるか‼️というシーンも多かったから結果的にBiSHになってくれてよかったんですけど……

夏にやるパンピ向けのちゃちい少女漫画原作恋愛映画(👈怒られますよー)じゃなくて、重厚感を味わえる作品にこの2人がこの関係性で出演してくれて嬉しいです。
私が着て一緒に観たpunkband is deadのTシャツも喜んでいます多分
公開前の期待はほどほどでしたが、大きく上回る感動を与えてくれた映画でした。
この映画は、これからの彼らの背中を強く押すものだと確信しています。
いい映画でした!
ろめ

ろめ