のんchan

PERFECT DAYSののんchanのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
5.0
急激に寒くなったけど、観終わった心の中はポカポカに温かい💗
こんな満足度、久しぶり。
まるでクリスマスプレゼントを貰った気分🎁

大好きなヴェンダースと役所広司の夢のようなコラボレーション、期待以上の大傑作でした🌟

ここまで日本人を理解する外国人監督はいないのでは?
東京を、日本人の心を知り尽くして描き切っている。

副タイトル"木漏れ日、光と影"
センス良く時折映し出される木漏れ日の美しいこと。それが切り取られる写真の1枚1枚。


平山(役所広司)という男を追うドキュメンタリーのようでもある。
年齢も素性も何も出て来ないけど、一日のルーティンが決まっているその姿を見ていると人柄が沁みてくる。

「The Tokyo Toilet」の作業着を身に付け、ミニバンに乗って都内の洒落た公衆トイレを何ヶ所も掃除する仕事している。
その仕事ぶりは手際良く、常に心を込めている。だから心が洗われる。

朝は洗面、髭剃り、1本の缶コーヒー、そして車で聴く音楽はカセットテープから流れる。少し古いが味わいあるセンスの良い音楽ばかり。

寡黙だが愛想が悪いわけでもない。仕事の同僚タカシ(柄本時生)はヤル気も金もない碌でもないヤツで迷惑を掛けるけど、タカシは幼馴染の障がいを持つ少年に優しいのを知る。それを見て心が穏やかになる平山。

仕事が終わると銭湯へ行き、ガード下の定食屋で済ます。
行きつけの居酒屋のお気に入りのママ(石川さゆり)の歌に聴き惚れる。

家出したという姪ニコ(中野有紗)を優しく受け入れて過ごす数日。迎えに来た妹(麻生祐未)との関わり方で過去が滲んでくる。

質素な暮らしだが、趣味(植物🪴読書📖カメラ📷)がある心が豊かな暮らし。
限られた時間をどう過ごすか?それは自分で決めることができる。

姪と歌いながらの
♪今度は今度、今は今♪

田中泯の踊り、三浦友和と役所広司のシーン、私の堪らない好きがいっぱい。

ラストの役所広司の表情は決して忘れない💖
きっと今後何度も観ることになる作品が増えた。



📚平山の読む本

「木」幸田文
「11の物語」パトリシア・ハイスミス
「野生の棕櫚」ウィリアム・フォークナー


🎵選りすぐりの楽曲

Feeling Good - ニーナ・シモン
Perfect Day - ルー・リード
Walk on the Wild Side - ルー・リード
House of the Rising Sun - アニマルズ
Pale Blue Eyes - ヴェルヴェット・アンダーグラウンド
(Sittin' On) The Dock Of The Bay - オーティス・レディング
Redondo Beach - パティ・スミス
(Walkin' Thru The) Sleepy City - ザ・ローリング・ストーンズ
Brown Eyed Girl - ヴァン・モリソン
Sunny Afternoon - キンクス
She's Not There - ザ・ゾンビーズ
青い魚 - 金延幸子
朝日のあたる家- 浅川マキ
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