ankyh321

PERFECT DAYSのankyh321のネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

この作品、映画好きなら好きな作品だと思うのですが、期待しすぎて見ると、退屈だと感じてしまう方もいるのでは?と思うくらい、前半は台詞ほぼありません。

役所広司さん演じる平山という、
独身中年男性。風呂無しのボロアパートに住み、仕事は公共トイレの清掃員🚽仕事は超丁寧✨
早朝起きて、拾ってきた沢山の樹木の新芽に水をやり、仕事に向かう。昼食はいつもコンビニのサンドイッチ。休憩の合間に木漏れ日をカメラで撮る。仕事帰りに銭湯により、浅草駅の地下街で酎ハイを飲み、帰宅して読書しながら眠る。
それが3日くらいループして、寝て次の日になるまでにモノクロの映像が流れる。 

何か起きるのか?
これは何か意味があるのか?って
見ていたら、ずっとこんな感じ。

公共トイレがまたスタイリッシュでオシャレなんだけど(こんなオシャレな公共トイレってホントにあるのか?)

休日は部屋の掃除、写真の整理、コインランドリーで洗濯と、古本屋にいって本を購入。

側からみたら、変わり映えしない毎日だけど、住居や仕事があり、趣味の写真や読書があり、健康でいられるのであれば、幸せなんだ。そう思わせてくれる。

これで話が終わる?って、そんな事はなくて、後半からは、家出してきた姪っ子がしばらく泊まったり、行きつけのスナックママ(石川さゆり)の元旦那(三浦友和)が現れて、心が乱されたりするんだけど、ドロドロになる訳じゃなく、ダンディな大人の男性2人が影踏みで遊ぶっていう。(ここのシーンよかったなー)

スカイツリーが部屋から見えるから台東区か墨田区?
夜のスカイツリーのライトアップや、隅田川を渡る橋を自転車で走るシーンも情緒的でいい(何橋だろう?)

平山の日常の中に、出勤中にカセットテープでかける洋楽が、この作品のアクセントになっていて、カッコよさとか、せつなさとかが現れてくる。(演歌じゃないんだよな)
ラストのシーンで朝日に向かって走るシーンがすごく素敵。

役所広司さんだからこそ、この哀愁漂う感じを演じる事が出来るのでは?
(ボロアパートで暮らしているシーンは数年前の『素晴らしき世界』を彷彿させます)

ヴィムベンダース監督作品で海外で先に上映されていて、カンヌ国際映画祭で役所さんは主演男優賞を受賞。
最後のテロップも全部ローマ字表記。
最後に木漏れ日の説明。そうかー。海外の人には木漏れ日って言葉は説明しないと分からないのか〜と、ある意味新鮮でした。
ankyh321

ankyh321