主人公平山はよく空を見上げる。朝の光、木漏れ日、夕暮れ。彼がスマホを持たないのもあるかもしれないが、一瞬一瞬のそこにしか存在しない景色を見つめる眼差しだった。フィルムカメラで、毎日同じような風景を撮っては保管しているのも、ルーティン的な生活を送る彼の中に一つとして同じ日がないことを確めているように感じた。
渋谷のトイレプロジェクトありきの企画なのかもしれないが、個人的には、隈研吾設計のトイレに丸太の飾りが多いせいで、そこにゴミが置かれてるという、それを役所広司が掃除するというカットがツボだった。
