整え重ねて些細な変化さえ尊んでいる様な平山の日常。
トイレ清掃員の仕事を献身的にこなし誰とも深く関わる事なく孤独な調和に満たされる日々と、そんなルーティンの隙間から滲み出る感情の濃密さ…
誰も気に留めないものに豊かな趣を見出す彼の世界と少しずつ繋がっていく感覚に心が震えた。傑作！
多少の変化にもササッと適応し決して乱れない日常リズムなど、美的感覚に訴える平山の所作や車内で聴く音楽に至るまで、その収まりの良さにまず魅了される。
そして彼がなぜこの生活を選んだのかという問いをルーティンの乱れや感情的揺らぎを通して控えめに表出させてからの…ラスト。
もう圧倒された！
習慣化された日常から外れない事で心も律しているようにも見える平山やけど、他愛もない変化によって生まれる感情も愛し受容れ、笑みをこぼす。
そんなルーティンでは縛りきれない人間味がとても温かいし、余りにも美し過ぎる程やけどw微笑みひとつで雄弁に人生を語る役所さんが本当に素晴らしかった。
