Charlie

PERFECT DAYSのCharlieのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.9
映画館に観に行きましたが、観に来てる人たちは「PLAN75」以来の高年齢層(笑)。自分の興味が高年齢化したのかしら。

さて、この作品は最後まで観てみると、なかなか良い作品という感想でした。
「最後まで観てみると」と書きましたが、かなり長時間ひたすら我慢して観続けなければなりません。そして一貫して役所さんのセリフがとにかく少ない。なかなか退屈です。家で横になって観ていたら寝ていたと思う。しかし、その繰り返しの毎日が、話が少しずつ動き出す後半に効いてくる、そんな感じです。
「退屈」と書きましたが、役所さん演じる男の意外性みたいなもの(本や洋楽を愛する)や密かに続ける楽しみのようなものに、彼という人間を見つける楽しみはあると思います。また、流れる洋楽の歌詞にも、例えばルー・リードのPerfect Dayなどちゃんと主人公の生き様とリンクした意味があります。

日本のトイレはウォシュレットに始まり、世界の人が驚く美しさですが、海外の人はこの作品の映像を見て、日本の公共のトイレはこんなにデザイン性があってキレイなんだ…と改めて驚くんだろうなと思いながら観てました。

最後にMichael BubleのFeeling Goodが流れ始めた時に見せた役所さんの顔の演技を見て、カンヌで最優秀男優賞を取った理由が分かりました。あの難しい表情、あの変化だけで「人生とは」を見せられるのはすごい。

映画が終わると、観客が静か〜に席を立ち、黙って出ていく感じが何とも言えなかった(笑)きっと、皆んな どう感想を述べていいのか分からないんだろうな、と思いました。
観ている途中で「これ、脚本は誰だ?」と気になり後で調べると、監督のビム・ベンダースと高崎卓馬という日本人でした。
これ、アカデミーの長編外国語映画賞にノミネートですが、どう評価されるのか楽しみですね。
Charlie

Charlie