KeiRalph

PERFECT DAYSのKeiRalphのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.2
年末怒涛の映画鑑賞耐久レース、二本目は、私の様なドロップアウターには共感度数高めでした。

私、映画見ながらメモとる習慣あるのですが、いつもは1〜2ページのところ、この映画については何と5ページ!それだけ見るべき映画だったというか、シーンやカットが殆ど一緒でメモしやすかっただけだと思います。

公共トイレ清掃員である平山演じる役所広司、本作のプロデューサーも務めているのも相まって、役所広司らしさを胸焼けするほど堪能できる。過去作の名演ぶりは枚挙に暇なしですが、「すばらしき世界」で演じたの元ヤクザの様な、良い人であろうとする怖い人にいつ変貌するかと内心ヒヤヒヤしてましたが、ヴェンダースだから大丈夫でした。

寡黙ながら、時折見せる笑顔が印象的ですが、たいてい人目に触れない所で密かに笑ってるので、若干気持ち悪い…いや、それも全て、平山が何故清掃員として働いているのかを紐解けば、何となくわかります。

また、いまだにフィルムカメラやカセットテープを愛用していたり、古本屋で買った小説を毎夜読んでいたりと、超アナログ志向である所も、デジタルネイティブには新鮮な模様で、大変モテている所も、そんな訳ねえだろ!とは思いつつ、そうして自分の意識に抗わず、ただ続ける姿勢を理解されている環境は羨ましいと思います。何だ、ただのやっかみかよ!

そんな平々凡々である日常をループし続ける平山が毎夜見る夢は、現実と幻想がモノクロームで織りなされる混沌。夢の中だけが人それぞれの世界ではない、という事なのでしょうか…
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