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PERFECT DAYSのののレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.8
年末の映画ハシゴ1本目。

なんだろうこのツボに刺さる感。
この映画の何かが、自分のエモフィルターにしっくりハマってる感じ。

憧れなのかなんなのか。

普通に観たらなんの変わり映えもしないなんてことない些細なひとりの老人の日常なんだけど、

孤独なはずなのになぜか孤独に感じられなくて、
暖かくて、小さいけど濃い幸せが詰まってる...

役所広司の顔がそれを物語ってる。

その人自身がその人生を退屈そうに冴えない顔で過ごしてたら、観てる我々もそんな気持ちになるだろうし、
平山自身がとても満足そうに空を見上げて一日始めてるから、こちらも満足な気持ちになる。

仕事と、お気に入りの場所と、景色と、好きな音楽と、いつもの道があれば、
自分で自分の幸せを知ってれば、
生きれるんだなって。

(でも夢の描写が妙にこわくて、どこか平山の孤独感とか喪失感とかが出てるのかな、と感じた)


同じことの繰り返しのようで、
自分の周りの風景は毎日違う。


私は自分の仕事が割と毎日違うことするって感じだからこの感覚はわからないけど、、
でも曜日ごとに仕事は決まってるから「毎週同じ繰り返し」感はあって
同じ1週間をただただ繰り返して1ヶ月、1年が過ぎてくだけということに危機感を持ってた。
けどそんな毎日(毎週)を丁寧に生きることも素敵やんと思えた。

同じことの繰り返しのようで、
影はちゃんと濃くなっていってる。

なんかよくわからんけどかなり好きな映画だった。、

夜通しずっと観ていたいと思う映像美。


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(追記)
「この世にはたくさんの世界があって、繋がっているようで繋がってないこともある」

「仕事」というと、どうしても「社会のためにならなきゃ」とか、「社会との繋がりを」とか考えてしまいがちだけど、
必ずしも繋がっていなくても、それは生きる意味になり得ると思えた。
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