裕福さを手放し社会に必要以上に搾取されず、清貧で生活の中の適度な豊かさを大事にする自律した生き方。社会の影にある木漏れ日のような人生の美しさを感じさせてくれる作品。
「THE TOKYO TOILET」プロジェクトは、「暗い、汚い、臭い、怖い」といったイメージを持つ公共トイレを生まれ変わらせようと始まったものなのか。
鑑賞後は、日常の時間の流れがゆっくりとなったように感じ、町中を車が走る音など日常で起きている様々なことに意識が向くようになった。平山のように。
日本人にとって非常識な表現をあえて残しているところの面白さ。(公式サイトの監督インタビューで少し触れられていて嬉しい)
作中で使われた曲を聴き返して余韻に浸りたい。作中で扱われた様々な建築家による公衆トイレも巡りたいな。
身近な日常を写真で撮り続けたソール・ライターの表現(あり方)にも通じるところがありそう。ソーシャル・ディスタンスで行動制限される中で、日常の視点を変えて楽しさを見出していたのを思い出す。
友人に「一緒に観てお茶したい」と声をかけてもらって鑑賞してよかった。(昼間にたまたまドヤ街で炊き出しボランティアをしていたので、社会の影に意識が向きやすくなっていた)
点数をたまに手放してみるのもいいよね。
