監督 ヴィム・ヴェンダース
カンヌで主演男優賞を獲ったのは、納得だ。
ほぼラストシーンの役所広司のアップの長めのワンカットは鳥肌がたったよ。
足るを知る。
そんな生活を日々繰り返す男の日常と、監督だから切り取れることができた東京がシンクロした、まさにアート作品なんだ。監督が色んなものを引き算して、狭い画角の中に必要なものだけを残したことがビンビン伝わってくる。
でも、この男の生き方に共感できるのは40歳以上だろうな。それより若い人は逆にまだ理解する必要がないよ。
ルーリードやパティスミスの楽曲が、懐かしいと思える観客が共感できる作品だと思うよ。