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PERFECT DAYSのiのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
5.0
姪のにこちゃんの名前、ニコアンダーザベルベットグラウンド由来かな

木を揺らす風のような、主人公の周りの人たち

わたしは人と関わるのが苦手だから「歳を食ったら1人で生きていきたい」と思いながらなんとなくここまで来たけど、他人と関わることで生まれる歪みとか愛とか変化からはきっと一生逃れられないんだなっていうある種の絶望を感じた
「変わらないなんてそんなことあるわけないじゃないですか」

セリフはおろか説明もほとんどないし明確な時間もわからないから「この土地に何年住んでるんだろう」とか「何時まで仕事してんのかな」とか、主人公の妹が出てくるシーンで「実家はお金持ちなんだ」って色々と背景を探れたのが楽しかった

冒頭のルーティーンは殺し屋よろしくすっきりとした手際で見てて気持ちが良かったし、主人公が動揺した時はそのルーティーンが崩れるのも細かくて好きだった

下手にセリフあるよりも、こちら側に全て委ねるほうが余白ぶん全て伝わるなんてずるいよーと思った

パンフに役所広司の理想の映画が載せられていたけど、確かにあの映画を見ている時と同じ心の動きがあったな、など

素晴らしき世界をここで出すのはやめたい

最後のニーナシモン ラストシーンの長回しで胸がいっぱいになった

この映画に出会うためにわたしは今年を生き抜いたのかな、とまで思わされた

大晦日
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