2023年149本目。
ヴィム・ヴェンダース作品。
東京でトイレ清掃員として働く男の日常を描く。
自分が観たヴィム・ヴェンダース作品の中で抜群に分かり易く、整った作品(笑)
役所広司さん演じるトイレ清掃員の平山のルーティン化された日常。
何事もない、正に彼の規則正しい生活が描かれる。
話が進むと、徐々に、その日常を揺さぶるポジティブだったり、ネガティブだったりの予期せぬ出来事が起こり、日常が乱れていく。
ポジティブなことが起こると平山は普段よりも笑顔豊かになり、ネガティブなことが起こると起床時間の変化など、ルーティンがズレる、オシャレな演出。
また、ルーティン化された日常でも比喩される「変化を求めない人達が時代や境遇の変化に淘汰される」様が大きな核になっている。
状況的に、エリート一家の生まれと思われる平山は家族と何かしらの問題があり家を出た身であると思われる。
そんな彼が何故トイレ清掃員をしていて、古びたアパートでささやかな幸せを噛み締めて生きているのか…。
そこら辺の含みも含めて、空気感がかなり好き。