木漏れ日のように、そのタイミングしか無い奇跡なような瞬間がある。
通常の日常生活で感じているような喜怒哀楽やものの考え方が映画を通して再投影されている感覚。
夢のシーンはまるで小説の余白部分のように自分に落とし込む時間を与えてくれる。
みなそれぞれの環世界を生きていて、交わりはあることも、全く交わらないことも、ある。この世はシンプルなようで複雑なようで、自分自身でどうにかなったりならなかったりする。相手を100%理解するなんて無理だ。言葉は元々分断して概念づけるための道具。音楽のように環世界を行き来する仲介物を通して、ありのままを受け入れて、あぁ美しいなぁ尊いなぁという感覚を大事に生き、環世界を行き来できるようにしていたい。と改めて。
それぞれのキャラクター背景がとてもよく、多くを語りすぎない、観客に解釈を委ねてくれる映像や音づくりがただただ心地よかった。1960〜70年代くらいのカセットから流れる音楽も色んな想像を掻き立ててくれる。
あぁ、美しくてとっても満たされた。
