交換価値を追求するわけじゃないから、カセット市場が盛り上がろうと手持ちの希少品を売ったりはしない。「カセットの音が好き」とか適当なことを言われても、そもそも生まれた頃からカセットでしか音楽を聴いてこなかった。ただ、自分が好きな音楽を聴くためだけに彼はカセットで70sの洋楽を聴く。
みたいな「プレシャスな価値をわかっている男」的演出がまじでキッッッショ！って感じで生理的に無理であった。良かったところがないとは言わないが、全体的に、そこそこ精度の上がったクールジャパン・プロモーションを見せられているようなうすら寒さが上回った。欧米人がこれ観て「日本に行ってみたい！」と思ってくれるのは結構な話だが、ヴェンダースだからって日本人が何でもかんでもありがたがると思うんじゃねえ。
