Tarks

PERFECT DAYSのTarksのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

見る人に解釈を委ねる映画であり、かつじっくりと映画の世界に没入することで良さが感じられる映画。生活音のある家庭で見るのではなく、映画館で見ることにこそ最適化された映画なのだと思った。見るか悩んでいる方は、間違いなく上映中の今、映画館に足を運んでおくべき。

以下、自分なりの解釈。
平山は今でこそ風呂なしのボロ屋に暮らし、トイレ清掃員として慎ましい生活を送っているが、仕事へのプロ意識、音楽・読書・写真といった高尚な趣味、専属運転手がつく社会的階級の高そうな妹の存在、彼女との会話内容からして、当初からこの質素な生活を送っていた訳ではなく、自ら望んで、何らかのタイミングでこの生活を選んだのであろう。
彼が流した涙の理由は、家族絡みのものであろうが判然とはしない。相方はなぜ仕事をやめたのか。相方の彼女?が流した涙の意味は何だったのか。姪は何に悩み、これからどんな生活を送っていくのか。スナックのママはなぜ離婚したのか。公園にいた思い詰めた表情のOLはどうなってしまうのか。
解釈とは言いつつ、分からないことが多すぎた。しかし現実における他人の人生のことなんて分からないことだらけで、自分なりに推測し、何かを感じながら生きていくより他にないのだろう。
Tarks

Tarks