パターソンを彷彿とさせるような、一見すると他愛ない日々を切り取っているような作品。
でもパターソンと違うのは、役所さん演じる平山さんの表情が雄弁すぎたこと。
平山さんが、私にとっては「些細だなあ」と思えるような出来事に、しっかり感情を揺らすことができてて、羨ましいし、ちょっと悔しかった。
私が知らない感情、知らない世界をきっと沢山知ってるんだろうな。
私は平山さんが感じてるような感情を感じられないまま死んでくんじゃないかって怖くなって、ちょっと絶望もした。
そんな私にも、影踏みしましょう、って言ってくれる人がいたらなあ。
最後の平山さんの表情長回しカットが、人生そのものを表してるように感じられてめちゃ泣けてしまった。
基本うっすらとした涙。笑ったり。たまに悲しくなったり。光が差したり。
平山さんが、基本的にずっと光の下に居たのが、とてもよかった。
あと、めっちゃ近所の墨田区沢山出てきたのも嬉しかった。
