いい映画だった。でもどこが良かったのかと言われると説明が難しい。そしてなにかもやもやしたものを感じるのも確か。
なんというか僕はタカシに感情移入しちゃったんだよね。平山はおそらく高学歴で文化素養も高い、いわゆるエリートだけど、なんらかの事情であえてあの仕事を選んでいる。きっとタカシは仕方なくあの仕事をやっている。平山の読む本や音楽の価値はなにもわからないだろう。
映画の舞台的に「ケイコ 目を澄ませて」を連想させるところもあるんだけど(三浦友和も出てくるし)、なんとなくストリート感があるケイコの方が好きなんだよな。
とはいえ、いい映画であることは間違いないし、何より光と影の織りなす美しさは昨年最も美しい映画だと言ってもいいかもしれない。