犬好き男子の映画レビュー

PERFECT DAYSの犬好き男子の映画レビューのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

劇場は満席。
メジャー大作ではないにも関わらず、アカデミー賞の日本代表作品ということもあり、注目度の高さを垣間見ました。

役所広司さんの独壇場。限りなくセリフが少ないため、仕草や表情での表現を求められるものでした。
視覚的にヒラヤマの感情の機微を読み取ることができ、さすがベテラン俳優と思いました。

物語は、公衆トイレ掃除を職とする1人の男性の生活を2週間ほど追うような半ドキュメンタリーのような作品。
ヒラヤマの日常を繰り返し見せることで、彼の普通の生活をしっかり体感できます。
その普通であり、彼のペースで過ごすなんともない日々がパーフェクトな1日のように感じつつ、予期しないちょっとした出来事が彼の日常のペースを崩します。
それらの出来事によって、心情を悪くすることもありつつ、喜びに繋がることもあり、彼の日常が他者との繋がりによって彩られているように感じました。
自分だけの世界では予定通りに過ごせて幸せも感じられつつ、人と繋がることで、より幸せを感じられるのではないかという希望をほのかに見出せるのかと思いました。

※その他雑多なコメント
私も東京在住で、知っている公衆トイレや浅草の街並み、銭湯が見られて親近感を持てました。
音楽のセンスも素晴らしいです。feeling goodやヴァンモリソンは好きなので、気分が乗っていきました。