太陽を盗んだ男

PERFECT DAYSの太陽を盗んだ男のレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.0
労働、風呂、レモンサワー、文庫本で淡々と続くようでいてそれなりに起伏のある、零落インテリの美しい日常。
ルーティンは素晴らしいし、ちゃんと腹たったり戸惑ったりの凸凹も描かれていて、完成度高い。完成度高過ぎてちょっといやらしくもある。(その点、ルーティンの美しさと孤独を描いてて余韻余白がある、といえば、サ道っていい線いってるよね)
しかし、人間関係的にはあれで本当にいいと平山は思ってるんだろうか?いいと思っているならそれでいいんだが、それなら、紆余曲折してそこに行き着いて、本人がここが落ちつきどころだと思ったんだろうな、というのをもう少し感じたかったかなぁ。「そんなんじゃないんです」じゃないだろう。ハイボールに逃げてるじゃん!と思った。そこを描きすぎると野暮になるんだろうけど。
でもこれからの時代、こういう寂しさを愉しめることを美しいとしていかないと、成り立っていかないのかも知れない。