1951thursday

PERFECT DAYSの1951thursdayのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ファンタジーかと思ったらドキュメンタリー鬱映画だった。なぜか省略されている汚く暗い部分や主人公の背景を無視して足るを知るって丁寧に暮らすのっていいねみたいなことを言う人が続出しており、肉を食いまくって太った人々が食えてなくてガリガリになってる人を見て清貧だねと誉めそやして自分達は肉を食い続けるみたいな無理解が加速するのではという恐怖を感じる。

・生きていくことがどうしようもなく辛いから、自分の状況を美化したような曲で己を慰め日々になんとか美しさを見出そうとする。
・他者に絶望しているが期待することもやめられず受け身な人間関係は継続させて、宝くじの結果が分かるまでの楽しみのようなものでなんとか生き永らえている。しかし、それらのささやかな希望もことごとく打ち砕かれていく。⚪︎×ゲームの相手を神社のベンチで昼食をとっている女性と思い込み視線を送るが、ゲームの終わりに書かれたメッセージで勘違いだったことに気が付く。スナックに通い女性の歌を楽しむが、懇意の相手がいると知りやけ酒に走る。
・姪がかつての自分のように親に抑圧されていることを知るが、彼女たちとは異なるレイヤーで生きているため、姪を励ましたり母親に助言をするどころか、また会おうという約束ひとつすらできず、孤独を深める。
・年をとり足腰が弱れば2階に上がることもできなくなり、物がただ積み上げられた物置で眠ることになるのだろう。働くこともできなくなったら。渋谷で彷徨うホームレスに自分の行く末を重ねて絶望する。
・己の未来の無さに苦しみながらも、音楽や文学、木漏れ日の美しさにどうしようもなく心を動かされて生きてしまう。

「不安と恐怖は別のもの」
なんで綺麗なトイレしか出てこないんだよと思いながら観てたらエンドロールでスポンサーTOTOって出てきた
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