きた

PERFECT DAYSのきたのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

京都へ初詣兼ねて旅行したときに。色んなところから好評の噂を聞いて気になってた映画。

邦画は眠くなりそうだし気分乗らないと見れないかも。歩き疲れてるし。と思ってたんだけど、2時間余りの時間が軽やかに流れていった。見終わって良い映画だったな、と色々考えてたらもっと本当に良い映画だったなぁ〜ってじわじわ湧き上がってきた。

話の内容はトイレ清掃のおじさん(平山さん)の毎日。変わらない毎日だけど色んな人との関わりで少しずつ変化があって、でも同じことを繰り返してて。待機とか休憩中のちょっとした時間の木漏れ日を見たり、木を育てたり、いつもの飲み屋で一杯飲んで幸せを感じてる。

朝の身支度が超潔癖っぽいのに、姪っ子がいきなり現れていつものタイミングじゃないときに音楽スタートしてもストレスじゃないし、たかしに自分の車運転させてあげたし、懐が広い寡黙なおじさんだった。

この前40代の知人が誕生日だったので今年の抱負は?って聞いたら「現状維持。」だったのを思い出した。現状を維持することが難しくなってきたという話をしたばかりだったので、平山さんの変わらない毎日は有難い日々なんじゃないかな〜。
若い時は常に面白いものを求めてたけど、だんだん新しいものを取り入れるのができなくなってて。
あ、Spotifyをそのお店はどこにあるの?って聞くのもやばかった〜…数十年後にあり得る未来だ。

ニコのお母さんと平山さんも別のマルチバースで生きてるっていうのも良い。

三浦友和と影の重なりを観察するのと影踏遊びするシーンがめちゃ好き。
そうそう、平山さんの趣味のひとつにモノクロ写真があるのも最高。毎週現像に出してちゃんと選んでるのも偉いです。私も現像しよう!と毎年思ってるのにな。
夢シーンもモノクロだったな〜。写真撮ってる影響なのか、元々モノクロで夢見る人なのか。
ヒューマンドラマだけじゃなくて色んなところで映像的要素を含んでて、哲学っぽさもある素敵映画でした。
きた

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