同じものを見ていたとしても人によって見えている世界は違う。
違う誰かの目で世界をみてみたいとずっとおもっていた。
平山さんの目を通して見る世界を体験させていただいた気分でした。
彼の目を通してみる世界は柔らかくて愛に溢れていてお茶目で時に少し切ない。
特別な何がなくても毎日は小さな喜びに溢れていていくらでも心を満たすことができる。
特別な何かになれなくても人の日々の営みは間違いなく愛おしい。
改めてそう思わせてくれた映画でした。
身内を亡くすたび、遺品や部屋の整理をするのが辛くて仕方がありませんでした。
それはそこに愛おしかった日々の記憶が残されていたからなのだと気づきました。
だからこそ、そこに人だけがいなくなってしまったことが悲しくて仕方なかったんだ。
木漏れ日が同じ瞬きをすることはないように、私たちが生きる世界も常に形を変えていく。
抗わず、たゆたうようにしなやかに、日々を生きていければいい。