なんて最高な映画を作ってくれたんだ！ヴィム・ヴェンダーズ！と叫びたい。
セリフはほとんどなく、無口な平山という男の繰り返される毎日を淡々と見ている時間はなんて贅沢なんだと、平山の車から流れるカセットテープの名曲たちに酔いしれながら観ていた。
平山の行動ひとつひとつが愛おしいし、人間って、地球って、生きるってこういうことだよなと、
自分の人生も捨てたもんじゃないなと思わせてくれた。
平山が運転する車でのラストのワンシーンで、映画館で隣に座っていた若い女性が自分の目をサッと手で抑えているのが視界に入り、私も湧き上がる感情をじんわり感じて最高に幸せだった。
そもそも「東京トイレットプロジェクト」という公共トイレのプロモーションとしての映像だったということが、このピュアな内容に仕上げてくれた要因かもしれないというのもまた面白い。
マイベストムービーに入る映画です！
