もけもけ

PERFECT DAYSのもけもけのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

思考の旅
ほとんど自分と向き合っていた時間。
映画の感想じゃないです。







主人公の暮らしはアナログな趣味が詰まったもので少し羨ましくも思うが、それが自分にとっても楽しいものかは別問題だと思ったし、その人が暮らしの中で手に入れたものであるので、羨ましさから真似したって自分には苦痛になるんだろうな。とか、逆に自分の好きな物も相手にとってはそんなでもなかったりで、自分の世界を押し付けるのも良くないな。とか考えた。
最後の姉とのシーンも姉目線では兄の幸せを願っていたし、だからこそ自分の幸せの尺度で測ってしまって押し付けようとしてしまったのかな。






20歳になっても自分は趣味も面白みもないくだらない人間だと思ってたけど、小さなことでも自分たらしめている核があり、ちゃんとアイデンティティを形成していたんだなと考えされられた。

主人公と姪のシーンをみて、人の暮らしをそのまま覗くのが結構好きなんだな気づいた。
全然こちらに気を遣わずそのまま自分の生活を見せてくれるように連れ回されるのって良いよねとか思った。

好きな物をデジタルじゃなくてモノとして残すことの素敵さとか、外装の経年劣化から時代の流れを感じたりするのも素敵だと思った。
私の親はCDとか書籍とかレコードとか沢山持っていて、ふと子供である私が見た時にその人の歴史みたいなのが感じられて自分が産まれる前の親がどんな感じだったのか想像したくなったし、個々の人間としてのリスペクトも感じた。

私は好きなものを殆どモノに残せていないんじゃないかと思った。後で見返した時に何も思い出せず他者から見た時に空っぽなのでは?と。