人生ダブルボギー

PERFECT DAYSの人生ダブルボギーのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.5
ちょっととんでもないものを観た。後でしっかり綴る。

優しい紫の植物用照明
11人の物語
ツナギ
カセットディスク
モノクロでシャープなフィルム写真
今度は今度、今は今
オレンジとブルーのフィルタ
光と影の構成
koji yakusho

後述==========
全くあらすじを見ずに見たためジャンルもサンペンスか何か起こるのか、この平穏で閉じた画面にビクビクしながら鑑賞した。
とんでもなくオレンジとブルーがかった画面の撮り方、陰影の付け方がかっこよく、いちいち画面が絵画のようなよく撮れた写真のような心地いいリズムと美しさを孕んでいた。部屋の薄パープル、日常のささやかな楽しみ、やりがい、一心さ、丁寧で快適ゾーン内を周回する暮らし、ハマったルーティン、型通りに迎えてくれる行きつけ、若者の身勝手さや仕事の貴賤周りの目、納得とあったかもしれない分岐への後悔。大切なことは誰にも毒されないところに置いておくのだろう。納得して生きている積み上げた老い。同じ道を通ってどうせ汚れるものを飽きもせず、毎日毎日、、それでも外から違うスパイスは転がり込んでくるし、静かに笑ってみている。
成功者ぽいガンの男との掛け合いもいい。何にもわからないまま終わっていく、そんなはずはないじゃないかと自分を納得、奮い立たせる、影が重なれば濃くなるか、あまり意識したことなかったがモノクロ写真を撮るようにしたらまざまざとわかるのだろうな。木漏れ日、朝焼け、夕焼け贅沢にもっともっと見ていきたいな。