このレビューはネタバレを含みます
スコア4.5(初鑑賞)
レビュー
淡々としてはいるが、観入ってしまい平日の仕事終わりに鑑賞したのにも関わらずまったく眠気がなかった。
平山が朝、玄関の扉を開けて朝日を清々しい表情で見て仕事に向かう様子から本当に仕事に意義を見出して働いていることがわかる。運転手を抱えている姉(妹?)から「本当にトイレ掃除してるの?」って言われていたけど、実家は裕福なんだろう。(姉自身や夫が稼いだ可能性もあるが)ある程度教育を受けたり興味があることを追求する環境があったりしたからこそ、一周まわって仕事に意義が見出せたんだと思う。子連れのお母さんからは関わってはいけない人扱いされてたけど、しっかりとハサミで口髭を整えてるし品がある。監督がドイツの方だからか、平山や暮らしを見せるのが上手い。これが無精髭伸ばし放題とかの小汚いおじさんだったら、こんな暮らしがしたい的などの肯定的なレビューがつかなかっただろう。
女将の元旦那との影と影は重ねると濃くなるかという会話は人生経験に関連付けているんだろう。他の作品とかだったら「深さ」で表現されることが多い話だと思うけど、やっぱり濃さも深さも、苦しい経験とか一般的にしたくないことを経験しないと出ないと思う。平山が濃さが変わらなかったらおかしいと食い気味に返してたのが印象的だった。最後の笑ったり泣いたりしながら運転
するシーンは辛い過去を抱えながらも、それでも希望を見つけて生きていくことを表現しているように思えた。
プチレビュー
・台詞が少なかったり多くを説明しなかったり
するからこそ、考察のしがいがあって
良かった。王道アクション映画の感想を
言い合うのも良いけど、こういう映画こそ
感想を言い合いたい。
・本当にいい笑顔で平山は笑うんだよな。
・一般的な人はまずSNSをやめて他人と
比べないようにしないと同じような暮らしは
出来ないだろう。
・幡ヶ谷近辺のトイレはいくつか見覚えが
あった。