TakeshiKaneko

PERFECT DAYSのTakeshiKanekoのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.5
平山の過去はほとんど語られない。
わずかな言葉や行動ががヒントだ。
ある人は、「平山、人を殺してるな」「刑務所入ってたのは間違いない」「写真家していた、もしくは写真家を目指していた」とか、みんなが想像を巡らして言い合ってるるのもいい。


この映画は、
噛みしめて、反芻する映画だと思う。

平山の日常を、変わり映えのしない毎日とみるか、木漏れ日から漏れるキラキラした日差しのあたたかな暮らしと感じるのか。

居酒屋、銭湯、古本屋、バーのカウンター、神社、育ててる植物、日々の安らぎを抱きしめる暮らし。
平山の毎日は、そんな小さくてもあたたかな自分だけのお守りに囲まれている

ボクにはそう見えた。

なんだか、西川美和監督の「すばらしき世界」のもう一つのその後を観ているのではないかと錯覚してしまう。
「素晴らしき〜」のラスト、花を持って帰宅するところなんか、思い出すと余計にそう思う。

平山が妹を抱きしめる場面はよかった。
いろいろなことがあったんだろう。
お互い許し許されたんだったらいいなと思う。

「今度は今度、今は今 ♪」
今度はもう来ないかもしれないけど、
今があるじゃないか、と。
TakeshiKaneko

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