このレビューはネタバレを含みます
スカイツリーを臨む
下町の貧しいアパートで
毎日変わらぬモーニングルーティン
軽自動車に乗り込み
渋谷区内の公衆トイレ清掃に向かう
帰宅後、開店と同時に銭湯に浸かり
行きつけの呑み屋で
いつもの酒を呑む
時々
小さなトラブルに巻き込まれるも
日々を粛々と過ごし
変わらない日常を愛する平山
博識な古本屋のおばちゃんや
毎日顔を合わす銭湯の常連
空を見上げながら
舞を踊るホームレスや
一杯呑み屋の店主
平山の周りには
似たような人々がいる
自分にとって
大切なコトは、案外少ない
前日と変わらない今日を過ごせるというのは
決して退屈なんかではなくて
穏やかな日々の積み重ねが
穏やかな未来を、人生を作るのではないか
そんなコトを思わされる作品
-追記-
同じ都会でも
港区の公衆トイレだったら
全く違った意味になるなと思っていたら
どうやら
渋谷区とtotoが組んで
ショートムービーを作るという
プロモーション企画が始まりだったようで
企画を持ち込んだ先のヴィムヴェンダースが乗り気になって
長編映画になったという経緯だったようだ