見た人ごとに感想が違うのがよーくわかった。
これは今人生どのステージにいるか、どんなことが幸せか、何にコンプレックスを感じてるかで感想が大きく変わる映画だろうなーって見終わって超納得した。それってこの映画のいいところだと思う。
平山を見つめてたはずが無口さゆえに突然自分自身が平山目線になるタイミングがあって、しかも見てるそれぞれが違う場面で。すごいなー。
今の私は、仕事に誇りを持てない、調子のいい柄本時生にちょっと苦手意識がある。
住む世界が違うと姪に吹き込んだ平山の妹にも、除菌シートで子供の手を拭くお母さんにも特に何も思わない。私の人生で諦めてきたところと平山の諦めがちょっと重なるんだろうな。
自分の生活を自分だけが納得するものに作り上げてるようでいながら、誇れる兄貴じゃなくてごめんな〜な男泣き平山には寅さんを見てるみたいなあたたかいものを感じたり。
元は家族のつながりがあったんだろうな、お父さんの状況とか妹が報告してるくらいだし。あの口ぶりだとお父さんと何かあったね、平山。
育ちもかなりよかったんでは。この性格が競ったりのし上がったりの社会に合わなくて今の生活を選びとったような気もする。
感想とは別にヴィムヴェンダース本人がレコード屋にいた気がした。お寺で猫撫でてるのが研ナオコか、研ナオコそっくりさんかどうかももう一回確認したい。
今回も隣席ロシアンルーレットは外れ。三浦友和が石川さゆりと抱き合うあたりまでずっとポップコーン噛み締めてるオヤジ許さないぜ。
