すみみ

PERFECT DAYSのすみみのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ウォシュレットってお尻がそこになくても水出るんだ。

健康的でヘルシーな映画だった。
かなり大らかな映画で社会的な課題を課題として捉えない美しさがあった。世の中は別に課題でもなんでもなくて、気にするような事じゃなくて、誰か彼かが掃除しようと思って過ごすだけで課題じゃなくなるような課題で溢れているのかもと思った。

なぜこの仕事をしているか。妹の問い。
人はどういう時に不安になるか。それは先行きが全く想像できない時だと思う。
逆に先行きが明確になる方法はは2つあって、
結論が想定通りになること。
結論が想定通りにならないと想定できる場合。
前者はルーティンやいつも変わらないもの。家の前の自販のコーヒー。腕時計の付け方。お昼ご飯に食べるもの。食べる場所。トイレの清掃中に見える景色。休日の過ごし方。車から見るスカイツリー。
俺にもある。歯磨きの時に舌を磨くとかいつもの喫茶店に行くとか
変化しないものであり、安心する。
後者は人や自然の要因で想定通りにならないと思っているから不安にならない。
例えば急に誰かしら信頼できる人が来てルーティンが崩れたり、日の出の時間がズレて朝起きてもまだ暗かったり、毎日座る場所は同じなのに木漏れ日は瞬間瞬間で異なっていたり。
それらは一見不安になりそうな要素があるが、人為的(信頼できる人)、受け入れざるおえない大きい存在の自然要因(大きな存在でそれを受け入れて生きている)による影響は不快に感じなかったり、他人との干渉が生まれてむしろ幸せを感じたりする。

なんでずっとこのままいられないんだろう
はこのまま何も変わらないことを求める人の心を表していると思う。

この映画はこだわりが一つのテーマだと感じた。こだわりのある生活はルーティンを産み、安心感を伴う。その安心感は余裕になり、魅力に変わる。
寝る前の読書。読書灯で読む本。居酒屋で食べるいつものもの。ママのスナックで飲むいつものもの。清掃の方法。カセットで聴く音楽。休日のカメラ屋や本屋・コインランドリー・スナックの流れ。

そしてなんかいいが多い。
窓の下の本棚。
寝る前の読書灯。
苗を植木鉢に植える瞬間。
暖簾を出したと同時にくぐる銭湯の一番風呂。

木漏れ日 一瞬の光と影の揺らぎ
影の重なり


なぜthe tokyo toiletなのかは全くわからなかった。話題に乗っただけに見えた。プロモーション感が寒い。
妹は何を言おうとしたか全く分からなかった。
すみみ

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