ルーティーン作業が続く清掃員の毎日は低刺激だけれど、幸福感にあふれていた。
「やりすぎですよ、どうせ汚れるんだから」と同僚に揶揄されても、
トイレ掃除の仕事を自分の流儀でこなしていくことに誇りを持っているようで、
趣味もあって音楽にカメラ、読書に観葉植物と充実した日々を送っている。
清掃員のように無口で独り身でも人との関わりはあって孤独を感じずにいられるんだと励まされる。
交流関係から積極的ではないイレギュラーは舞い込み、平穏に刺激を与えて楽しいんだろうなと。
一方、バツでさせられる便所掃除のイメージもあって世間や家族から汚かったり、存在しないかのように扱われていて悲哀が募っていく。
独りで見つけた楽しみと苦悩が、
交互に押し寄せては引くていく感情が表情に克明に現れていた。
ときどきみんな言葉にしないが感情で動いてしまう瞬間が笑えて、
サブカル女子の気持ちの高ぶりが特に面白かった。
「ギター出てきちゃったか」