Sadako

PERFECT DAYSのSadakoのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

⚫︎トイレの壁面に人影が映る様子とかが、サッと入るのがすごく良いと思った。そういうディテールから、平山さんが毎日のどんな些細なことに目を向けているかが感じられた。

⚫︎はじめ、平山さんは妖精のような存在だなと思った。
真面目で、誠実で、無欲で、音楽や文学のセンスが良く、質素な生活でも毎日を楽しんでいる。
清貧とでもいおうか、
そんな日本人がいたらいいな。

皮肉ではなく、
映画にしか表現できない美しい理想の姿を好意的に受け止めました。

⚫︎でも、平山さんは妖精ではなかった。
後半彼がどうやら良い家の出のような事がわかってくる。
男は全員官僚みたいなファミリーかなと想像。
もともとは色々持っていた人が、家族とか仕事と折り合いがつかず、静かな生活を求めたというのはリアリティがあって、美しい理想の姿とリアルのバランスが良いと思った。

⚫︎小津安二郎的?
平山さんは美人に好かれがち。
飲み屋のママ、柄本の彼女、姪ニコ。
その辺は小津安二郎映画で、「私、お父さんさえいればいいんですよ」とか言って再婚しない嫁(息子は戦死)みたいな、おじさんドリームを感じた。

⚫︎総合的に、すごく良かった!
Sadako

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