このレビューはネタバレを含みます
すんごい単調な映画だけど、役所広司の良さがピッカピカに光っていた。泣いちゃった。
日常の描き方がとても美しくて、下町の良さも都会の良さもどちらも美しく描いてくれた。
平山はその日々を大切にしていて、丁寧に接していて、美しさに感動する姿に私が感動した。
平山の過去ははっきりとは描かれないけれど、
ニコちゃんが泊まりに来た時、その一部が垣間見えます。
ニコちゃんは姪で、実家にはもどらない。
父と折り合いが悪くて、あの様子からきっとトラウマレベルの酷いことを言われたような気がする。
1Fに積みあがった荷物を見るにきっと逃げるように(もしくは突如)別れた。
荷物を解かないあたり、まだ気持ちの整理ができてない、もしくは過去に触れたくない。
平山が麻生さんを抱きしめるところ、号泣してしまいました。
大切にしてるのが伝わってきて、いつかまた交流してほしいとさえ思ってしまった。
※訂正※
麻生さんの役を当初奥さんだと思っていましたが、妹さんということで訂正しました。
夢の世界は若干怖かった(笑)。
実相寺監督の「姑獲鳥の夏」を見ているのかと思った。
平山の2階の本の整列が美しくて羨ましかった。
ただ床が抜けないか心配です。
あと部屋を施錠しなくていいのかも心配です。
石川さゆりママは声が綺麗でドキッとしちゃった。
仕事の真面目さもさることながら、
東京のトイレって本当色んなトイレがあるんだなと勉強になりました。
読書が好きで、思慮深くて、ルーティンが決まっていて丁寧。
彼の世界はつまらないように見えるかもしれないし、
自分の生活も単調でつまらないと感じるかもしれないけれど、
世界は毎日違くて美しい、それを見せてくれた映画でした。
ラストがfeeling goodなんでずるい。笑って泣くなんてずるい。