勤勉に、優しく、小さな幸せに微笑む日々こそPERFECT DAYS。
同じことの繰り返しで1日が終わる生活のように見えるが、平山ははしゃぐ子供を見て、飲み屋で客の世間話を聞いて、木漏れ日を見て、小さく微笑む。
変わらないなんて、そんなバカなことはないですよ！と平山は言った。
あぁ、彼にとって1日1日は違った輝きを持っているんだと確信した。
陽のあたり方、木々のざわめき、人々の会話、その日に聞きたい音楽、関わった人々さえ平山の元に留まることはなく、繰り返す日々の中にある、刹那的な小さな煌めきは何一つとして同じではない。
そんなことが大切に感じられるのは、過去に耐え難い悲しみを経験したからなのかもしれない。
無口な平山の見せる笑顔は木漏れ日そのもので、じんわり暖かくて柔らかで、ずっと浸っていたい映画だった。
下町の風景、音楽、役所広司の表情、悲劇のような喜劇、情緒が溢れていて涙が流れ続けていた。
これこそ本物の“丁寧なくらし”。
ヤマダアオイちゃん、田中泯さん、隠れ研ナオコさんなどなど、配役も素晴らしかった。
役所広司はやっぱりBOSS！日本といえばトイレ！！
