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PERFECT DAYSのrecoのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.9
面白い映画度 ★★★★★★
笑える映画度 ★★★☆☆
深い映画度  ★★★★★
泣ける映画度 ★★★★☆
良い映画度  ★★★★★

これぞ映画の醍醐味と言える作品。
役所広司さんの演技もヤバすぎです。

とにかく想像以上に良かったです。
鑑賞後はずっと余韻に浸ってしまう程。
大きく分けるとこの作品には2つのメッセージが込められていて、
1つ目は日常生活をしてる中で様々な小さな喜びを見つけるだけで、どんな人でも日々の生活を充実させる事により、人生を完うする事が出来るって事を教えてくれます。
そうしてもう1つは、光と影です。
こちらのテーマが凄く深いのですが、この世界に存在する人には光側の人間と影側の人間が存在すると言う事。
光は光があるからこそ必ず影が存在し、その影も重なると色が濃くなり何らかの変化が起きる。
すなわち陽の目を見るような、社会の表舞台にいる人等は、影で役所さん演じる平山のような公共施設のトイレの清掃員などがいる事により、気付かないうちに心地良い環境で生活を送る事が出来ているのです。
またその影の様な存在の人でも、同じ様な立場の人間同士の出会いや交流により、辛い事もある知れないが、僅かな幸せも生まれるかも知れないという事を表現してたように思えました。
そしてこの映画のキーワードとも言うべき
木漏れ日
と言うワード。
主人公の平山は、日常生活中に常に空を見上げているのですが、その中でも木漏れ日を見るのが最も好きで、その木漏れ日を毎日写真に収めているほどです。
自分なりの解釈ですが、突如現れる姪っ子のリコと過ごす僅かな幸せな時間も、その木漏れ日の様な一瞬の光なのでは無いかと思いました。
またそれはリコが今は光側の人間と言う事を表していて、歩み方を変えれば影側の人間にも成り得ると言う事を表現してるように感じました。
なので、この作品は受け取る側によって様々な事を考えさせてくれる作品だと思いました。
なので自分に取って本当に面白い映画とは上映時間外でもその映画の事を思い返してしまう映画の事を指すと思っています。

さて真面目な話はこの位にして、他に思った事を!
この映画は役所広司さんの無言の度アップの顔のシーンが大半締めますが、表情だけで僅かな心の揺れ動くを表現する役所広司さんの演技力は半端無いと思いました!
また何であれだけ長いトイレ掃除のシーンを飽きずに観る事が出来たかと言うと、それはあの完璧なプロ以上の手際の良さを演技では無く、この映画の為にどれだけ膨大な掃除の練習をして、あの掃除のシーンが生まれたかと思うとゾッとしました、、、
役者魂が凄すぎます!!
他にも好きなシーンが沢山ありますが、急に饒舌になるリコと過ごすシーンと三浦友和さんと影踏みした後のくだりのシーンが特に好きでした!
次は音楽。
僅かな心の揺れ動きにより、選曲を変えてたのが中々良かったです!
そして最後に。
石川さゆりさんみたいに歌が上手いママがいる小料理屋なんてあったら、アルコール代なんてゴミみたいもんで、毎日歌だけ聞きに行くと思います(笑)

まだまだ書きたい事が沢山ありますが、とにかく自分には刺さった作品でした。
劇場で観ないと良さは半減するかもなので、気になる方は絶対劇場でご観賞下さい♪
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