まめしば

PERFECT DAYSのまめしばのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.2
久しぶりのヴィムベンダース監督作品。ミニシアターで観てきました!

都会の片隅で繰り返されるルーティンで折り目正しい静かな生活。トイレ清掃員として担当する渋谷エリアのトイレと木漏れ日の美しい公園のベンチ以外には、古いアパート、銭湯、駅地下の一杯飲み屋、コインランドリー、写真屋、古本屋、美しい和服ママがいる小さなスナック、そしてコンビニ。平山にとっての生活圏は自転車で行き来できるこの範囲で充分なのだ。

せんべい布団、竹ぼうき、自動販売機とBOSSコーヒー、70-80年代のカセットミュージック、カセットテープとカセットデッキ、古本屋の100円文庫本、フィルムカメラと現像写真、湯沸かし器、湯を沸かすヤカン、観葉植物と霧吹き、湯呑み茶碗に植えかえた植物、ママチャリ、雨合羽、サンドイッチ、チューハイ、カップラーメン。

古き良き昭和の匂いに包まれた、程よい距離感の人付き合いがとても温かい、朝日の眩しさや、木漏れ日の心地よさや、川面のきらめきや、雨音やそよ風を感じることのできる、何ともじんわりと心に沁みる、良き映画でありました。
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