このレビューはネタバレを含みます
良かった〜!!!
ルーティン化された同じようなリズムの日々の中にある違うリズムが繊細に描かれていたように感じる。
いつまでも世界は変わらないと思っていても、日々は少しずつ少しずつ変わっている。日常の中にあった、毎日見ていた建物はいつの間にか無くなって、何が建っていたかすら記憶から消える。
いつも会っていた人は急にいなくなるし、子供はあっという間に成長するし、死に向かって老いる。
そんな感じだった。
一瞬一瞬で表情を変えていく役所広司さんがすごいと思った。繊細な、一つ一つのその瞬間の表情の変化をずっと見ていた。
監督がドイツの方だったことを知らなかったので、観た後に知っておどろいた。でも少し納得もできた。言葉は、その国にしかないものがあって、言葉にしないと、概念や感覚って気づきにくいから、その言葉を知ってから見える景色や世界って絶対にある。それをじわじわと感じさせられる映画だったなと思ったし、美しい言葉と美しく儚い日常を作品に落とし込んで色々と気づかせてくれてありがとうございますと思った。