umihayato

PERFECT DAYSのumihayatoのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
5.0
どんなパーフェクトな日々が描かれんのかと思ったら、偏屈なおっさんのサイコな日常じゃん。
初っ端から、男子高校生がトイレで用を足してる音を聞きながらニヤニヤしてて相当キモかったし、失敗写真破いた瞬間にこちらとしてはサイコ認定なんだけど、、、
みんな羨ましいってか美しく見えるの?
あれ。
キモいエピソードの数々にギャグとしての☆5。影のくだりとか顔から湯気出るかと思った。

撮り絵は綺麗だったし、"景色"の眺め方には共感しますよ。とても。
でも好きなのその"景色"だけでしょ感。


カセット聴ける車に乗ってる身としては爆上がりしたし、もちろん帰りにヴァン・モリソンのカセット聴いて帰ったけどねぇ、、、

あんな見ず知らずの可愛い子がカセット好きなんつってチューしてくれる事なんかねーよ!!!!!
「面倒な人」とか「不便な車」としか言われねーんだからな!
ニヤニヤしやがって平山ぁ!!!
壊れろ!車!!
てか、男1人の生活で滝汗滴るオナニーが描かれなくて何がパーフェクトじゃ!
(そういう孤独や不安みたいな黒いものは寝てる時に挟まる影の描写で済ませやがって!)

ギャグで済ませられない話としては
上記にあるような女性キャラクターの配置と記号化はかなり男性本位な願望丸出しでヤバかったと思うんだが。。
しかも姪っ子も含めて全員平山とその趣味に好意を抱くという。。。
いやーキツイでしょ。。。
三浦友和とのエピソードだってめっちゃ男が上からな感じが・・・
全部変わりたくないけどチヤホヤされたいおっさんの願望でしょ?

で、大事なTokyo toiletの事とその感想。
何せ今作、厳密にいえば"映画"じゃなく
このプロジェクトの"2時間のCM"なので。
詳しくは調べてください。
トイレが綺麗なのはとてもいいことだとおもいますが。

平山個人の描写だけは実感があり、その他の人々(社会)やトイレと関わってる時のエピソードのまさに上っ面だけ綺麗にしたような嘘臭さは、そのままこのTokyo toiletというプロジェクト及び国や行政の欺瞞そのものを体現してるように思うし

ホームレス・障がい者・外国人、全ての描き方が、それらを排除してきた渋谷区の気持ち良いように描かれており、それを平山という個人に許容を集約させるグロテスクさといいますか。

セリフでもあったように
「あっちの世界とこっちの世界は別物」として、「どうか個人主義で気持ち良く都合の悪い"景色"には目を瞑って暮らしててください」という製作者及び行政のメッセージに他ならないでしょう。
結局「有権者は寝ていてくれれば良い」と同じです。
てか古き良きを壊して上っ面の"景色"だけ掻っ攫っていったのはおまえら行政や大企業だろうが。
口数少なくそこに居ろってのはどういう了見じゃ。

まぁ日本中、一事が万事そういう感じでしょうし、行政と個人の繋がりや影響も分かってないか、そこは目覚めさせないようにしようという事を行政及び協賛大企業が映画を通してゲロってるわけで、今後とも大阪万博のデザイナーズトイレは徹底的に批判していきたいと思いまーす。
被災地にトイレトレーラー送れや。
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