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PERFECT DAYSのringoのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.1
冒頭、トイレで泣いていた男の子と母親とのシーン。私は平山を可哀想だと思った。でも男の子が去り際に手を振ってくれたのを見てふっと幸せそうに笑う平山。誰にどう思われても、何をされても、自分に向けられた小さな幸せに気付き、自分が幸せだと思える瞬間にフォーカスしていて、グッときた。

その瞬間、ただ一度だけの毎日。
幸せは人に見せつけるのではなく、密かに自分だけの幸せを、素晴らしい日々を噛み締めて、微笑んでいたいなぁ。

ちなみにこの映画を観た時、映画館に80歳くらいの腰の曲がったおばあちゃんがいた。おばあちゃんになっても、歩くのがしんどくても、映画館に足を運んで映画を観る姿、ほんと素敵だった。



目が覚めて深呼吸をし、植物に水をやり、空を見上げて、音楽を聴き、仕事をして、木の写真を撮り、行きつけのお店に行き、夜は間接照明で本を読む。だけど、ただのいわゆる丁寧な暮らしを見せつけるような映画ではなくて、時には空を見ることを忘れたり、音楽を聴く余裕をなくしたり、過去と向き合ったり、泣いたり、本を読めずに眠りにつく、そんな姿もあって良かった。

今は今、今度は今度。Spotifyのは可愛いし、叔父さんと姪っ子の関係がとても良い。
兄と妹のシーンではなんでか泣いてしまった。
役所広司と三浦友和のところも良かった。
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