「あなたはいま、なんのために生きているのか」
そう問われたら、私はなんて答えるか。
笑顔で暮らしていきたいし、仕事で成功したいし、いまより少しでも良い生活がしたいし…
けれどそれらはすべて"幸福でいたい"から。
"幸福"が人生の目的だとしたら、それは遠い未来だけにあるわけではなく、何気ない日常の中にもたくさんの幸福があるはずで、その幸福にどう目を向けながら生きていくべきかを、示してくれるような作品だった。
毎日同じことが繰り返される幸せ。
大好きなものだけに囲まれている幸せ。
自分の手に余るものを手放し、両手で守れるものだけを丁寧に守りながら生きていく幸せ。
平山が木漏れ日を見上げながら、そんな丁寧な幸せを噛み締める日々に、心が洗われるようだった。
一方でいまの毎日に満足しながらも、平山がふと、過去に置いてきた肉親の温かみや、恋に昂る気持ちに心を揺り動かされ、足るを忘れるとき、人生の優先順位の難しさに心が抉り取られるような痛みを感じる。
変わらない穏やかな日常が戻ってきた安堵に笑みをこぼしつつ、自身の人生の外に置くと決めたものたちの温かみへの渇望から涙をこぼす…
そんな複雑な平山の心情が表されたラストの長回しは圧巻。
〜〜余談ですが…
尊敬するレビュアーKUBOさんのおかげで、鑑賞後には、平山行きつけの居酒屋【ノヴ】さんでディナー🍽
そう！あの赤提灯のお店です🏮！！
映画の中では小料理屋さんという雰囲気でしたが、実際のノヴさんはおしゃれなフレンチ🇫🇷
映画の世界そのままのお店で、映画愛溢れるお友だちと、おなかいーっぱい美味しいごはんを食べられるなんて、幸せすぎる休日でした🥰
ノヴさんが本作の舞台に選ばれたきっかけや、撮影時の秘話などなどまでおうかがいできて、これ以上ない貴重な体験をさせていただいたのもKUBOさんのおかげ♡
幸せな体験をありがとうございました🥳💓
