まる

PERFECT DAYSのまるのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

人生って感じだった。。
一言では到底表しきれないあれこれ、って感じ。
役所広司渋すぎる!!!

大きな事件は起こらないし、心情も過去もその後についても何も語らない。
だからこそ想像が膨らんだ。

お気に入りのルーティンを大事に丁寧にぴかぴかに磨き上げてるように思えた。
人が暮らしてるのを見るのが好きなのかな。
人々を見つめる目の演技が凄かった、、!
すごく柔らかかったし、嫌な意味じゃなく面白がってるのがめちゃくちゃ伝わった。

本屋でお会計するとき、もうすでに読みながら精算するのめちゃくちゃ良かった。憧れる。
以前幸田文の木を読んでたけど、文体が読みづらくて挫折したの思い出した。

ママの元夫とのシーンで、影は「人の人生」ってことを言ってたのかな。
木漏れ日は一瞬。人生の、一瞬で偶然の重なりが好きなのかな。
にしてもママ歌うますぎ。

にこちゃんといるとき口数多いのが可愛らしかった。嬉しかったんやろね。
にこちゃんに対しても、あやちゃんに対しても、何があったのとか一切聞かない。
逆にそれが居心地いいんだろうな。

迷子の親子のシーンが、トイレ掃除職の象徴的な扱いだったな……
透明人間。関わってこようもんなら消毒。
あれは気ぃ悪い。
その対応にも腹立てないってすごい。慣れちゃったのかな。
積極的に人と関わりたい感じではなさそうだったし、普段の暮らしぶりを見るに、利用者からのお礼とかも別に欲しくないのかも。
あの親の対応にも感情波立たなかったのに、無茶な仕事量押し付けられたときにちょっとおこだったの珍しかった。
穴埋めで来た人の性格にも、面白いな〜!って思ってそうだった笑笑

お馴染みの場所に行った時、もう言葉すら発さないのが面白かった。「ん……」だけ。
長年の付き合いで呼吸が合うんだろうな。
銭湯のシーンで面白かったのが、あんだけ顔馴染みなのに、なにも知らない関係性ってところ。
繋がりすぎないし、自分のことを話しすぎない関係。

バディの子との関わりだけだと若人わからんって感じだった?
でもカセットテープの件で、これいいねってなったときめちゃくちゃ嬉しそうだった。
自分の好きなものを分かってもらえて嬉しいってわけではなさそう?
単純に、それいいよね!世代違っても刺さるんだ!って思ってただけかも?
その辺から、平山さんの遊び心が見えて来たし、頑固ではないってことも分かった。
若人の恋を応援したり、マルバツゲームしたり、レコードショップ連れられて行ってみたり。

妹がにこちゃん迎えに来た時の会話も、短いけど、二人のこれまでの歩みが詰まってた。
まだトイレ掃除してるのって言った時の目が、全てを物語ってた。演技すごい。
あの仕事が気に入らない、なんでそんなことしてるの、でも説得したって聞かないんでしょ、もっと他の暮らし方もできたのに、みたいな。
前みたいなお父さんじゃないからお見舞い言ってあげて、って言われたときの平山さんの表情……
昔嫌なことがあったんだろうな、お父さんが変わり果ててたとしても、会いたくないんだろうな、トラウマがあるんだろうな、ってのが一瞬で伝わった……
別れ際ハグしてて、妹が涙浮かべてた。
色々抱えてることがあるんだろうな。
11の物語、買い直して読んでたな。
にこちゃんが共感したって言ってた話を読みたくなったのかな。
それでにこちゃんを理解しようとしたのかな。

神社で休憩するとき、必ず一礼するし端っこ歩いてた。
隣のベンチの事務員さんは大丈夫なんだろうか……目死んでたよ?

ダウン症の子に役があるのも良かったな。
あのバディ、仕事はサボるけどそういう人付き合いは良かったんだな。

これ以上ないくらい綺麗な終わり方だった。
最後の曲、いつもの平山さん選曲っぽくなかったけど、当時の出来事を思い出して泣いてたのかな。
いつもと同じルーティンの中で、不意に泣きたくなる日もあるのかな。
まる

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