このレビューはネタバレを含みます
平山は成熟している、と思った。
いつもと違うことが起きて日常のサイクルが乱れると、私は順応するのにストレスがかかる。
それなのに、最後の挿入歌に持ってきたのがfeeling good。彼の表情が昨日まで当たり前にあった日常が繰り返されないことへの悲しみと、新たな日をまた生きるという前を向いた気持ちが混在しているように見えた。
私には悲しみが混じっているように見えたけど、平山に取っては別にそんなものではないのかもしれない。
このあたりの歌詞がマッチしてて良すぎた。
"Sun in the sky, you know how I feel"
"and I'm feeling good"
登場人物全員の日常が繋がり合って、みんなの日常になっている。耳が好きな彼には、トイレ掃除のお兄さんがいたからこその日常があったし、トイレ掃除のお兄さんにはお金で恋愛を買うという日常が途切れそうだったから平山のお金がほしかった。。。
どれか1つでも異なれば、皆の日常が異なるのだから、毎日は同じように見えてもやっぱり少しずつ違うんだよな。
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映画館を出たあと、いつものカフェのいつもの席に座った瞬間、この日常はいつまで繰り返されるのだろう?と自分を客観視してしまった。
平山のように生きたいけど、結局は現代社会の速さに圧倒されてついて行ってしまうんだよなあ。とも思った。
12本目