るる

PERFECT DAYSのるるのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.1
Perfect day と言ったらトレインスポッティングのヘロインキメて沈み込むシーンがすぐ出てくる私なので、この映画をずっと観たいと思ってました(にしては遅すぎる…)Perfect dayという一曲の解釈がこんなにも違うかね、っていう感じだよ。真逆もいいところだよ、でもどっちも正解なのが映画の良さかなぁ。正解とかないか。

平山の日常を簡単な言葉で言い表すなら、きっと「変わり映えしない日々」みたいな陳腐な感じに落ち着いてしまうんだけど。きっとタカシみたいなやつはそんな風に思うだろうし、それをつまらないって思うんだろうけど。平山にとってはそれこそがPerfect day なわけで、毎日同じだけど一瞬一瞬が全く違う日々だということを思わされた。そういう日々を積み重ねるとPerfect daysになって、それがやがて人生になってくんだろうな。
でも最後の平山の表情を考えると、どこかに「これで良かったんだろうか」みたいな後悔も見えてくる気がする。それでももう、この生活をやめることもできない。だから「今度は今度、今は今」なんて自分に言い聞かせて満足してる風にしてるのかもしれない、なんて。パーフェクトな日々でも、時々不安になることはあるんだろうな。
カセットテープ女にキッスされてそのままドアを開けて出て行くから、車内のライトで顔が赤くなったように見えるやつ、あれめっちゃ可愛いなと思った。


(ただ、なんだろう。こういう感性を持って生きましょう!これこそがパーフェクト!って押し付けられてるような気分にもなったよ少し。一瞬を大切にすることができる人間は美しい!みたいな。いや、平山の映画だからそれでいいんだけど、だからってまさか自分もコレにはなれないし。美しすぎる人間を見てると勝手に自分が惨めになるっていうか。どっかに欠点あれよ、と思う自分にまた嫌気がさすというか。だから私、タカシみたいなやつの方が案外好きだったりする。どっちにしろサイテー)
るる

るる