MINAMI

PERFECT DAYSのMINAMIのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
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ヴィム•ヴェンダース監督

ルーティン化した生活で生きている、あるいはルーティン化した生活でしか生きていくことが難しくなった人のように感じた。映像はあまりに綺麗に描かれているから、そればかりを信じるのは少し気負うけれども、一つの映画を通して考える隙間をくれる映画だった。

変わらないモノは無いと、力強く口にしたものの、どこか変わらない何かをいつも欲しがってしまう。その一方で、変わらない毎日が淡々と過ぎていくと、どこかいつもとは違う日を求めていたりして。。

過去と未来の調和を取ることがこんなにも難しとは、誰も教えてはくれなかった。過ぎ去ったいくつもの過去が今に浸透するように、未来を美しく煌びやかに、ときどき悲しく想像している。その一方で、確実に今現在、存在しているのは、たった今、今しかないことに気づく。

誰に何を言われようと、誰に何を思われようと、自分の生活を自分で暖める、暖め続ける覚悟と信念を持とう。それは自分を愛することで、誰かや何かを愛することかもしれない。またそれは、時に社会に抵抗することで、何かを無視し続けることかもしれない。自分で考え得るあらゆる事柄に誇りを持ち、考えられることに勇気を持ちたい。それでもたまにソレを失う気弱さまでもを愛すことができれば、影も光もいつまでも共に共存できるはず。
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