KtaSakurai

PERFECT DAYSのKtaSakuraiのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
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『ベルリン・天使の詩』で小津への敬意を表しながらも『夢の涯てまでも』では少々(?)誇張した日本のイメージを披露したヴェンダースが、まさにその日本の俳優陣や製作と組んだということで正直不安な部分もあった

平山の、感情の表出を避けて植物のように振る舞おうとする姿は小津作品の登場人物によくみられる独特の寡黙さの影響を強く感じる

一方でヴェンダース自身は過去作で様々な「旅する人」を描いてきたわけで、今作においても同じように平山にある種の動き、移動を強いている

植物のように生きようとする平山と、人は旅する生き物であると言って憚らないようなヴェンダース的物語の鋭い矛盾のすべてを、ラストシーンの彼の顔が物語っている
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