このレビューはネタバレを含みます
外国人受けする日本、東京のイメージに付き合わされて、『東京画』のベンダースはどこに行ってしまったのだ！と腹を立ててながら画面を見ていたのですが、物語が動き出すや……！
ベンダースは何百回見ても、主人公平山を、彼の姪っ子が抱きしめるシーンに涙するそうです。私はその数秒後に平山が妹（つまり姪の母親）を抱きしめるシーンに胸を打たれました。一気に平山という登場人物の人間性に素手で触れたような気がして。
穴というか、批判すべき点は多い映画（ジジェク先生がおっしゃるように、主人公平山の小さな喜びにただただ満足し、外の世界にはひたすら無関心を貫き通すのはいかがなものかと思います）だと思いますが、感動的な瞬間もある映画でした。
