k

PERFECT DAYSのkのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.3
公衆トイレ清掃人の物語。ヴェンダースの映画を同時代に映画館で観れる幸せ。
きっと主人公の平山はダメっダメな人間で、色んなものから逃げ出してきた男。そんな彼の日常を、否定とか肯定じゃなく、ただ観る人に手渡すような。
100の言葉よりも雄弁な沈黙。
カラー映像よりも芳醇なモノクロ。
逃れ難い資本主義社会の中で、大きな循環の、緩やかなつながりの中で生きていく。
それはフォークナーの長くて退屈な小説みたいに美しくて、なんか言葉を探してる、言語化しようとしてる自分がもどかしい。
役所広司は世界一画が持つおじさんだな。ブルーノガンツ並みに。
休みの日だけ着けるダイバーズウォッチ。
木漏れ日を写すオリンパス。
ダイハツが黒塗りのクラウンよりも輝いたりして。
孤独を描くには人をたくさん映すこと。光を描くには、それが産み出す影を映すこと。ヴェンダース監督、完成してるじゃん、、、
k

k