あーち

PERFECT DAYSのあーちのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.7
同じルーティーンで朝を迎え、仕事をして、眠りにつく。同じ銭湯に行き、同じ飲み屋に行き、同じ本屋に行く。一見、平凡で代わり映えのない日常に見えるが、木漏れ日に同じものが1つとして無いように、一日として同じ日は無い。自然を愛し、カセットテープを愛し、小説を愛する平山は多くは語らないが、表情だけでも喜怒哀楽が伝わってきて、彼なりの充実した毎日を送っていることが伝わる。たとえ恋人や家族がいなくても、肉親との関係が良くなくても、友人がいなくても、幸せとは人それぞれなのである。しかし、映画を観進めるにつれ、一見充実した生活の裏に隠された彼の暗い過去や清掃員という偏見や軽視に耐える「影」があることに気づいた。それでも、何にも縛られず『今』を生きる彼の生き方は理想と言える。将来、どう生きたいか問われたら迷わず彼のような生き方を提言するだろう。
『こんどはこんど、今は今』
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